安倍首相の登場とともに対ドル為替レートは30%安くなった。実質実効為替レートも25%下落した。この実質実効為替レートは歴史的な低水準だ。
「日銀によると、日本の貿易相手国通貨に対する円の総合的な価値を示す実質実効為替相場は1973年1月以来、約42年ぶりの弱さになっている。当時の円相場は1ドル=約300円で、73年2月の変動相場制移行後で最低となる」。(日経新聞2014.12.7朝刊)
結果として日本のGDPは安倍政権登場後ドル評価で150兆円も毀損し、中国のGDPの50%を割るまでに至った。また円安は同時に日本国民の金融資産2000兆円の価値をドル評価で約500兆円以上も目減りさせたことになる。
異次元の金融緩和や、郵貯や年金資産の運用の米国債への運用比率を高める政策が、急激な円安を招き、ドル評価での日本国民の資産価値を暴力的に破壊したことになる。つまりアベノミクスは日本経済の構造を破壊するきわめて暴力的な政策だったということだ。
この事実から日本経済の急激な構造的な弱体化が浮かび上がる。
経済のグローバル化の時代は世界中から必要な財貨やサービスを調達し、これを加工して付加価値を加えて世界中に提供したり、豊かな生活のために消費することがリーズナブルにできることが豊かさを保証する。
従って為替の強さは経済の強さを象徴することに他ならない。円安誘導は日本経済の弱体化を呼び込むことに他ならない。
そしてそれは同時に生活者のなけなしの資産価値を減価させ、輸入品やサービスの価格上昇による困窮化をもたらさずにはおかない。
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