株式市場に5頭のクジラが住み着いて日本株を暴買いしているそうだ。
5頭のクジラのプロフィールは次のとおりだ。(UBS証券推計:日経新聞2015.3.13朝刊より再掲)
資産規模 日本株比率 組入れ目標 買い余力
兆円 % % 兆円
GPIF 137 19.8 25 7.1
3共済 30 10-15 25 3.4
かんぽ生命 83 0.9 5 3.4
ゆうちょ銀行 205 0 5 10.3
日銀 3
合計 27.2
なんと27兆円もの巨額の購入余力を持つ巨大なクジラだ。「1千本弱の公募日本株投信の残高は全部で約19兆円だから、これがいかに大きいかが分かる」。(日経新聞同)
ETF(上場投資信託)買いを進める日銀はまさにダークホース的な存在で、他の4頭が手綱を緩めると則買いに動く。買い余力の3兆円も仮の数字で、他の4頭とは異なり残高の目標もないし、裏付けとなる資産もない。印刷機を回せばすぐにいくらでも買いに出ることができるという意味ではオールマイティ。
「影響力が大きいだけに、市場参加者たちの最大の関心はクジラがいつどのような買い方をしてくるのか、だ。流動性の高い東証株価指数(TOPIX)連動のパッシブ運用が、今のところクジラの買いの最大の受け皿になっているという。
このため証券会社のトレーダーたちはTOPIX構成銘柄の構成ウエートと日次リターンの相関係数を『クジラ警報』として活用する。この値が上がるほどTOPIX連動買いが個別の株価に影響していることを示す。この軌跡をみると、足元のクジラの買いの勢いの強さが読み取れる」。(同)
株式投資はTOPIX構成銘柄の動きを分析すればこのPKOが続く限り最適解が求められてしまうはず。当分はこの波に乗ってサーフインを楽しむことができそうだ。
公的資金が大規模な株買いに走っている半面で、個人の資金は日本株を売る動きが強いようだ。クジラの暴買いで上昇した時点で売りに出て利益を確定させ、様子見で反動売りが出て市場が弱気になったところで買いを入れる作戦だ。この繰り返しで着実にクジラの暴買いによる長期的なブームを勝ち抜くつもりだろう。そしてこのPKOが終焉を迎える前にさっさとはやめに手じまいするに違いない。個人は良くマーケットの状況を見ていると言わざるを得ない。ブームの後には暴落と低迷が続くという教訓を良く肝に銘じているのだろう。
ところで日銀を除く4頭のクジラは、国債を売ってその資金で株式の買いに向かっている。そして4頭のクジラが売り出す国債は日銀が購入する構図になっている。
ということは5頭のクジラの株式暴買いはずべて日銀の供給するマネーで行われているということだ。結果として国債市場は依然としてタイトな状況が続きながら、株式市場がブームを続けることになる。
つまりクジラの暴買いは異次元の金融緩和のシナリオの一部と理解することができる。これまで日銀は民間金融機関から国債を購入してきているが、企業の資金需要が低迷しているので民間金融機関も国債の売却資金を融資に向けることができず、その一部を株式投資に向けているはずだ。
こうなると日銀の金融緩和政策によって供給されたマネーはその少なからずの金額が株式市場へ向かいつつあると見ることができる。つまるところ異次元の金融緩和は株式市場の未曾有のブームを継続させていると考えざるを得ない。
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パヨク撲滅運動 (木曜日, 14 5月 2020 08:20)
やっぱり捕鯨は必要