週刊現代の編集部から以下のアンケートが届きました。
「これまでのご経験から、「あの会社は素晴らしいな」「
そこで次のように回答しました。
①生まれ変わったら入ってみたい会社名:株式会社オリエンタルランド
②その理由: 顧客満足および従業員満足を徹底して同時追求している
多くの会社を見てきた、多くの会社と接してきた皆様だからこそわかるその会社の「雰囲気」「社風」「制度や働き方」「職場の空気感」「業界での見られ方」「実際の仕事のダイナミズム」など、その会社を特徴づけるエピソードを可能な限りまじえていただけると幸いです。
東日本大震災が発生した日に東京ディズニーランドおよびシーには7万人のゲストが来園していました。これだけの人がいささかもパニックを起こさず安心して地震の収まるのを静かに待ったのは見事と言うほかありません。
稼働していたアトラクションも安全に停止し、途中でゲストが孤立する事故も一切ありませんでした。
地震の起きた瞬間にキャストがゲストのために取った行動は標準動作をベースにしながらもそれぞれが臨機応変の対応を行い、その結果顧客接点で無数の感動を誘いました。
また当日はアクセスが大きく乱れ2万人のゲストが当地で仮眠しました。そこでも心のこもった対応でゲストをもてなし、翌日混乱が収まったところでゲストは安心して家路につくことができました。
こうした見事な対応は震度6、来場者10万人を想定した訓練を年間180日実施していることによって可能になったと言えます。でもそれだけでこれほどの感動を産み出せるわけはありません。訓練だけでなく日頃のゲストに夢と楽しさを提供することが何にもまして重要だという共通の意識が約2万人にも達するキャスト全員にしっかり植えつけられていたことが、ゲストの期待を大きく超えた無数の感動を呼び起こしたのでした。
年間3000万人の来場者でにぎわう秘密はこのエピソードによってうかがい知ることができます。
ディズニーランドとシーは2015年から10年間で5000億円の設備投資を計画しています。これまでも年間300億円から400億円を投資してアトラクションの新設やリニューアルを繰り返し実行してきました。これがいつ訪れても新鮮なエンターテインメントを楽しむことを可能にし。多くのゲストのリピート来場を実現する成功要因になっているのです。
この裏には緻密に計算された財務戦略があります。顧客満足を継続的に拡張していくために、最重要な打ち手を創出し、それらを実現するために投資はいかほどなされなければならないかを算定し、そのための資金源泉を見通すという、財務計画の王道とも言うべきプロセスが踏まれています。
資金源泉の主役は主に営業利益と減価償却費から構成される営業キャッシュです。10年間に5000億円の投資を実行することは毎年1000億円もの営業キャッシュを産み出している同社にとって実現可能性は極めて高いということができます。
そしてディズニーランドではアトラクションが年中無休で正確にそして安全第一で稼働することが決定的に重要なことになります。
それには設備の保守や運転に携わる腕の良い裏方の存在が不可欠です。顧客接点で活躍するキャストに加えて、キャストのパフォーマンスを最大限引き出す裏方の技術力がコラボレーションしてはじめてゲストの感動をうみだす構造になっているのです。こうした構造もオリエンタルランドのエクセレンスの秘密であるといえましょう。
コメントをお書きください