本書はChatGPTの超入門書と言えるでしょう。本書によって、次の疑問に対する回答を得ることができます。
l そもそも生成AIとは?
l これまでの識別系AIとは何が違うのか?
l 生成AIの誕生は何が契機だったのか?
l 生成AIで何が可能になるのか?
l 生成AIに限界はあるのか?
l 生成AIの得意分野と不得意分野は何か?
l 生成AIを使うには何から始めればよいのか?
l 生成AIによって駆逐される仕事は何か?
l 企業は生成AIをどのように使いこなせばよいのか?
l After ChatGPTの世界はどう変わるか?
以上の問題意識に対して、著者が用意してくれた回答を以下に拾い出してみましょう。
l 「(生成AIについて学ぶために)お勧めのものを一つだけ紹介すると、『AI for Everyone』というコースがあり、日本語でも受講できます。それらで学びながら、実際にStable Diffusionの微調整などをしてみたりすれば、費用をあまりかけずに学習できます」
l 「Chat GPTのような画期的なテクノロジーの登場は、いつの時代でも、それまでの価値観に揺さぶりをかけます。勤続年数や肩書と有能さが比例しないように、創業してからの歴史が長いからといって、その企業の価値観がこれからも通じ続けるとは限りません。積み重ねてきた信頼や伝統は確かに大切なアセット(資産)ですが、そこに固執してしまうと、ビジネスの存亡がかかった変曲点を見極められず、多くのものを失ってしまうリスクがあります。 歴史や伝統、従来の手法が、アセットではなく、負債や重荷になっていないか? 多くの企業が、一度立ち止まって見直すべき局面に来ているのかもしれません」。
l 「では、AIがどれだけ進化しようとも、生き残る可能性が高い仕事や業界は、一体どこにあるのでしょう? 答えはシンプルです。 日進月歩で進化するAIをうまく活用して、自ら価値を生み出せる人や組織が生き残るのです」。
l 「生成AIの解答や判断が100%正解であることはありえません。それどころか意外と大きなミスや、全く根拠不明な事実誤認も多いのです。 AIの性能が高くなれば誤った回答は減るでしょう。しかしどれだけ性能が高くなろうとも、大量のデータから確率に基づいて回答を生成する仕組みである限り、解答が100%正しいということは、なかなか難しいものです。 相当に高いレベルで「賢い」けれども、ある部分で未熟でもある。 このアンバランスさが、生成AIと向き合う際の今後の課題と言えるでしょう」。
l 「今後、生成AIがどのような進化を遂げていくのかはまだ誰にも分かりませんが、(『副操縦士』としての)生成AIを活用する『機長』であるために重要なポイントは次の2点です」。
Ø 最終チェックは、現時点では人間の役割
Ø 常に『差分』を問うスタンスを持つ (この点には解説が必要です。「差分を問うスタンス」というのは、これまでの進歩の軌跡を踏まえて、現在登場した技術がどのように位置づけられるのか、それが持続しないファッションであったり、一過性のファドに過ぎないのかという判断を下せる鑑定能力を養っておくことが必要だと思います)。
l 「(日本の強みが生きるのは『遊び』のサービスです)。日本におけるテクノロジーの歴史を振り返ると、効率性や合理主義が重視されるアメリカとは異なる、独自のユニークさがあることに気づきます。それは『遊び』の領域から技術が発展していく点です。 2023年5月、LINEはChatGPTとのコラボレーションで、好きなAIキャラクターを作成し、会話ができるサービス『ドリームフレンド』をリリースしました。AIで作ったオリジナルキャラクターと会話し、育成できるというユニークなサービスです。こうした発想は、漫画やアニメが多い日本に生まれやすいでしょう」。
いずれにしても、ChatGPTは企業にとっても、個人にとっても活用を迫られている技術であることは間違いないようです。であるならまずは大胆に活用モードに踏み込んでみるしかないでしょう。 「習うより、慣れろ」の教訓がここでも活きてきます。
なおこの文章はChatGPTに校正を依頼しました。
「いずれにしろ」の表記をChatGPTは「いづれにしろ」と書き換えて返信してきましたが、元の通りのままとしました。